「笠嶋恵美子」の作品一覧

62 件の作品が登録されています。

2025年1月
  • 少女像の胸を横切る流星群
  • 聖歌ながれて猫はうす目をあけている
  • 人形の瞳から星があふれそう
2024年12月
  • 居ずまいを正して鬼の面を脱ぐ
  • 生き切って蟷螂の翅透き通る
  • こんな夜は浮世草子に紛れ込む
2024年11月
  • 花だったころの記憶が残る部屋
  • 壁紙の隅で光っている蛍
  • 読点を打つ間に秋が逃げてゆく
2024年10月
  • 大切なものをひとつずつ捨てる
  • ひと波乱おこした松を引っこ抜く
  • ひと眠りすれば乾きそうな傷
2024年9月
  • 忘れ癖ついてしまった花茗荷
  • 罅われた湯呑とながいおつきあい
  • 喪の庭を満たしてくれる白い百合
2024年8月
  • 雨垂れに前頭葉を穿たれる
  • 意味のない言葉ばかりが溜まる部屋
  • 仮縫いのまんまで舟を待っている
2024年7月
  • 菩提樹の花の香まとい妹が逝く
  • そのことに触れると涙腺がゆるむ
  • 月の舟しずかに昇ってゆきました
2024年6月
  • 牡丹散る十二単を脱ぐように
  • 襟足のほくろまぶしい 春の海
  • 藤棚の下でベールを脱がされる
2024年5月
  • 背表紙の金字へ背筋たてなおす
  • 言の葉を浮かべて流れゆく小川
  • 一点の曇りもなくて壷はたいくつ
2024年4月
  • 開かずの戸つくづく伯母に似てきたな
  • ロケットはその先アスパラガス伸びる
  • 口笛を吹けばここよと蕗の薹
2024年3月
  • 瞑想の裸木をそっと抱いてやる
  • 悩みなどどこ吹く風の黄水仙
  • 狭き門ふわりと蝶が超えました
2024年2月
  • まだ正月を引きずっている恋御籤
  • 力にはなれないけれど鐘を撞く
  • 星屑で被いきれない津波跡
2024年1月
  • 胸奥にぽつんと灯る烏瓜
  • 裁かれているのか星が青すぎる
  • 三日月の顎に自転車ひっかかる
2023年12月
  • 鐘一つ撞いて秋を送ろうか
  • 熱い息かければ芽吹きそうな指
  • 切り株にはらり紅葉の置手紙
2023年11月
  • 策を練る金木犀の木の下で
  • 指切りをするたび月が痩せていく
  • 燃え尽きた男を星にかえそうか
2023年10月
  • 合歓の木を揺すり続ける流星群
  • 言い訳のずしりと重い砂袋
  • 雲海へ萎えた心を解き放つ
2023年9月
  • 台風一過てっぽう百合を抱き起す
  • 台風の目から鱗が落ちてきた
  • 台風に覗き見される裏帳簿
2023年8月
  • 向日葵の首が妥協をゆるさない
  • 逆立ちをする椅子もいて八月忌
  • 雲海を泳ぎきったかミズスマシ
2023年7月
  • 冥界を行きつ戻りつ沙羅双樹
  • 梅ジャムに飛び込んできた訃の知らせ
  • 雨垂れに歌わせながら刻む葱
2023年6月
  • 野苺をふふめば戦よみがえる
  • 牡丹散るへびが衣をぬぐように
  • 灯を消すとくくっと笑う造花たち
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