「重森恒雄」の作品一覧

62 件の作品が登録されています。

2026年9月
  • 秋の葉の役に立たないパスワード
  • 掃除するだけの座敷になっている
  • 屋根歪み父の忘れている昨日
2026年8月
  • また一人同級生が遊びだす
  • どの穴も同じに見えて日が暮れる
  • 夜は更ける急病人を笑わせて
2026年7月
  • それぞれのリンゴの内の芯の向き
  • 夕焼けを見るための部屋のある家
  • 二度と戻れぬ森に忘れたボール
2026年6月
  • 戯れに誘えば初夏の黒揚羽
  • 約束を右耳たぶに思い出す
  • 時刻よりやや早く淡い戯言
2026年5月
  • 春に咲く花は花粉を持っている 
  • 烏賊光るオープン戦の二試合目
  • ひゅるひゅると泣く春の音の取り方
2026年4月
  • 雨で見えない星の誕生日
  • イタチ横切る何事もない月夜
  • サヨナラのランナーとして走り出す
2026年3月
  • 黙ったままが二階から降りてくる
  • マフラーが絡みつく夜の北斗星
  • また出会う猫の病を知っている
2026年2月
  • 一月にさかのぼるバカの数々
  • いくらでも雪が降る市民病院
  • 更地になった竹藪に雪積もる
2026年1月
  • 美しい冬の一部が揺れている
  • 寝る間惜しんで渋柿の皮を剥く
  • やがて潰れる家の赤いカーテン
2025年12月
  • 心窩部で大きな月になっている
  • 夢のない話に添えるソーセージ
  • 何日も食べずに柿の木に登る
2025年11月
  • 膵臓とキリマンジャロに行ってくる
  • 血をば吐く立待月を寝て待って
  • 出棺に間に合うブルーインパルス
2025年10月
  • 月蝕が始まっている銀食器
  • 未練なさげに窓を闇が出てゆく
  • 素裸を撫でられている波の音
2025年9月
  • 草はぼうぼう恥ずかしいことをする
  • 雨が降ったところで枯れてゆく舟
  • 草むらへ消えてゆく虹色の翅
2025年8月
  • 芋虫が散歩しているパスワード
  • 空っぽの洞に流れるブラームス
  • 雲はもう終わろうとする全十話
2025年7月
  • 山門不幸紫陽花に蝸牛
  • 悟るとはもう振り向かぬ橋のこと
  • 五月雨集め本堂を出る小舟
2025年6月
  • 動かない虫の昨日と違う貌
  • 三匹も四匹も蜂が来て歌う
  • 初夏の望月舟が待っている
2025年5月
  • 疣を取る歳相応の悪性度
  • おろおろと廃校の桜見に行く
  • 笑いだす温かな樹の本籍地
2025年4月
  • 如月の夜に震えているスマホ
  • 黒い羽根だけを残して朝の月
  • 寒い広場でボール蹴り合っている
2025年3月
  • 雪の降る夜を京都へ行く電車
  • ノールックパスを通して誕生日
  • 二つ目の春が来ている乾電池
2025年2月
  • 何も書いていないノートを読み返す
  • 新年の軒下にいるニシキヘビ
  • 指示をするときは灯りを暗くする
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