- 打楽器は深いしじまをいちず編む
- 富士山をみせる車窓にめぐり逢う
- そのように白い小皿であらんとす
「岩田多佳子」の作品一覧
全 51 件の作品が登録されています。
- ビロードに触れただろうか氷像の
- 壁紙のへりのあなたが捲れそう
- ねじりまんぽゴクゴク喉が鳴っている
- ビー玉は一番星を離さない
- 躑躅でも姉でもなくて赤かった
- 先人のカップの取っ手かもしれん
- タンザナイトのナイトあたりは雨ですね
- 産みました巨きなたまご瀬戸際に
- にんじんは口答えして人参に
- 琴線がカボチャの顔をしてわらう
- ひと針をさして仕上げる乙年
- ほどかれて口約束は野にあそぶ
- 青青とめらめら隠しもつお米
- 目には目ぐすり摩天楼したたらし
- かもしれないと歌う予報士
- 快速をひとつ逃した目をしてる
- 剥がれない空のいちまいとんがって
- 義妹くる塩のかげんは絶妙に
- しあわせな月におなりになりまして
- 壁紙の端がめくれたような日々
- 河がながれる製本を躍らせて
- 満腹になりおわる音楽
- 家事をつらねて空を駆けてる
- 回廊の出口までには淹れおわる
- はじめから夏のかたちに積みなおす
- ろくろ台まわせば姉が立ちのぼる
- 明暗法にのっとり童話いそがしい
- おもいでのオセロゆっくり翻す
- その線の端をつかんだかもしれん
- むずかしいもの蛇口から出てこない
- 町屋復活ファンデーションぬり足して
- たいそうなツンドラ地帯なる裸体
- 瞳孔をひらけてそれは出ていった
- しゅくしゅくと命日の糠床に入る
- らしい人でしょ無敵の実たべたでしょ
- 現代詩にしてはキャベツ剥いている
- 月走るトートバッグを凹ませて
- どこまでも貨車で納豆すする音
- 文字列をつっつく春のしごとです
- 仏壇のあなたの髭をそりにいく
- しゃぼん玉ぽぽぽっと忌が明けたらし
- まん丸くなるまで真冬なでている
- アクロバットな琵琶湖だあれも観ていない
- もち麦のふくれっつらを褒めそやす
- 地雷を踏んだ目覚しが鳴っている
- 朗々としゃべる果実に負けている
- あるがまま花瓶に暮らす岸恵子
- 生まれたての火 ローソクをたべている
- 銀河へと発車オーライ朝ごはん
- 論点のまだ目覚めない布バッグ
- どこまでもレール大地を離さない
- ミンミンとしきりに夏をたべている
- 聞く耳もたん噴水も閉店も
- 以後の雲もう何もすることがない
- 一冊の月の裏へと飛行中
- 帆をあげる夏を濃くするジャズつれて
- つぶつぶの花椒風情にあこがれる

