- ミンミンとしきりに夏をたべている
- 聞く耳もたん噴水も閉店も
- 以後の雲もう何もすることがない
「岩田多佳子」の作品一覧
全 53 件の作品が登録されています。
- 一冊の月の裏へと飛行中
- 帆をあげる夏を濃くするジャズつれて
- つぶつぶの花椒風情にあこがれる
- 渦潮のひとつふたつを腕の中
- つま先で水平線をもみくちゃに
- 寒かろう素顔に着せる服がない
- パン生地にプラトンの息混入す
- 年齢不詳銀河ぽろぽろこぼしつつ
- マクラメを辿るむやみな靴はいて
- 横顔にふかぶかマンタよこぎる日
- やわな小舟の寄るべない砂時計
- 蒟蒻にパヴァロッティはよくしみる
- シャッフルシャッフル水になる予定表
- 水遊びダウンロードの中庭で
- ペーパームーンふと昇る文具店
- 渇く手のたぐり寄せてるつぎの駅
- うっかりと小さな核をにぎっている
- さよならと金属音の姦しい
- 余呉湖ゆく私のさきの鳥が主語
- 吐露晴れて発車のベルをきいている
- 橋だったころの兄たち復元す
- 海ざわわ頬に刺さった波ひとつ
- 語らいながら上包み脱ぎながら
- 漂流中ひとつ鎖の目をおとす
- 字余りの黄色い春をくださいな
- 満腹です13色もたばねたら
- 鈍色のレールをすすむ台所
- のびきったジョークも入れる紙袋
- 積木くずれか ほったらかしの町なのか
- 老犬のシッポ余力をもっている
- 空虚へとポンポン船がよってくる
- 鍋敷きは戦をたべているらしい
- 直立不動まじめな水になっている
- 詩よりも深くアルタイルかもす息
- さぁここでビロード状に差し掛かる
- アルファ波たまる下駄箱あけ放つ
- 輪郭の欠けた活字の実をひろう
- 575にざっくり手首つかまれる
- 骨組みが多くてきしむ誕生日
- 泥濘は円周率で出来ている
- 失意ではなかったワサビ味だった
- 願望がもやい結びになっていく
- 六月を旅するみずいろの衣
- 現実にデラウェアまだ目覚めない
- 七月の黒鍵のゆびコメディアン
- 係累のシュッとふきでるボトル缶
- とろとろに暈ける満月ひとつぶん
- それゆけ荒野青リンゴ真っぷたつ
- 感情のすみずみ薪がよく燃える
- 探しものサモトラケのニケ欠けている
- 夕焼けを拾うブレーキかけながら
- 轡から外されて狼狽える馬
- 包帯をしばらく解きつつツツジ
- 木箱にはまだ輪のままのフラフープ
- すこしずつ空気が抜けていく母屋
- 鳥が舞うカーテン一枚縫い上がる
- 変化球とどくあたりが二月です

