- いつ来るかわからなかったはずの蜘蛛
- 袋小路の山茶花の白い頸
- 百年に一度生まれてくるトンビ
「重森恒雄」の作品一覧
全 62 件の作品が登録されています。
- 夜が来る誰もいないと思わせて
- 何もせぬ間に柿の実が落ちている
- 何というものでもなくて栗ごはん
- オレンジジューシーな人と隣り合う
- 夢に見ていた朝が来て木を登る
- ただ走り続けるたまに手を挙げて
- バス一つ見送れば来る黒揚羽
- 三次方程式に絡みつく髪
- くらくらとエノコログサの背が高い
- 向日葵を見に来る虫のひと家族
- 暑いとも思わず竹の柄に潜む
- 羽化をする左足でもシュート決め
- 睡眠時無呼吸の傘が裏向く
- 赤染衛門のサロンの雨の音
- 誰か来る当てもなく跳び箱を跳ぶ
- 最後には出会えるものと濡れている
- 父が見た風景の匂う灰色
- 天国の朝日を七度見て落ちる
- ただ黒い背中の虫の夜の脚
- 渡りきったところで消えている足
- 初夏の根の塊を引っこ抜く
- 口座から引かれる赤いジャケット
- 辛いとも渋いともなく欠ける月
- 大あくびしている春の河馬の味
- 何か言うための五分が過ぎてゆく
- 何処へ行く心算か犬を撫でながら
- 次の駅あたりで降りるのがルール
- 幸せになろうねというサナダムシ
- 一月のどこかに梅は咲いている
- 初夢は初夢として星光る
- 大好きな猫がいる家を出てゆく
- 一月四日ドリブルで二人抜く
- お城が見えている冬の不整脈
- ただバカを言うこと月のない夜も
- とても古いやり方で網を張る
- しばらくはここにいますと月が言う
- 煙突も門も含めて売りに出す
- 腕時計みたいなもののネジを巻く
- 恋をするドボルザークを知らぬまま
- 今日は今日の雨降る階段を上がる
- やっかいなウサギが死んだ振りをする
- 甕に水あり図書館に明日の本
- 初盆に詫びるでもなく虻が来る
- 蓬と別れ鮒寿司の嫁に来る
- 勝てばよいだけのゲームに風が吹く
- 約束に遅れることになる小雨
- また来るというとき柿の実が赤い
- 雹は降りつづき十年経っている
- 難聴の耳に聞こえる鐘の音
- 楽譜など読めもせんのにカモメ舞う
- 天国の夜の浜辺の難破船
- 夕食の足しの見事な流し打ち
- ぴったしの靴で窓から出られない
- 持ち時間なくなりスイカ抱いている
- ポイントがあるうちの春の面影
- 茎はともかく蘇る黒法師
- 夏が来るたった一人を失って