- 悪くなる病と知っている木の葉
- 傘を差す 要らん袋を一つ下げ
- 舞い降りてくるきらめきが手に刺さる
「重森恒雄」の作品一覧
全 58 件の作品が登録されています。
- 朝に咲く花が咲くまで起きている
- ぬるいコーヒーの難解な詩の香り
- 声援をしていただくとサードゴロ
- 熟柿べったり介護度がまた上がる
- 和やかに煮た豆食べる父母祖父母
- 祈りつつ苦いと思うビターチョコ
- 白い車の列がジリジリ動く
- 何も知らない男に和える酢味噌
- 親しくはなかった驢馬が死んだらしい
- モナリザの後で穴を掘っている
- 帽子のとげをとげとげにして被る
- 薬飲む若草山は燃えている
- とてもきれいなひとといた銀杏の樹
- 残念というほどでない朝の月
- 急ぐ必要はない桃の缶詰
- 充分に長生きをした指の傷
- 水がない大阪へ行く水がない
- ホークスの松田に打てぬ球ばかり
- 会えるかもしれない午後の苺パフェ
- 鼠色の人がついてきて喋る
- 此処は何処だと問えば四月一日
- あの人が死んだと告げる春の鳥
- 玄関を開けると人が立っている
- 責任は全て他人にある月夜
- 捨てるにはいかにも惜しい穴の靴
- 何でもない椅子に腰かけてしまう
- そのうちに呼ばれる方に歩きだす
- 頬染めて差し出すただの貯金箱
- ももいろの花の香りも今宵まで
- ネムクナル薬を飲んでネムクナル
- 川の向こうはいつも雪の降る国
- 灯篭を倒して母が家を出る
- ロッパ来るマスク外してほほ笑んで
- 五条の橋に引っ掛かる実の祖母
- 蔵のある家の貧しさ貰い受け
- ポンと開く傘が自慢の祖父と叔父
- ゆるゆると流れる川に秋の淵
- 紅葉が舞えば切れている琴の糸
- 水鳥の光の中に潜る音
- さわやかな風に灯りが消えてゆく
- 少し向こうへ誠実な線を引く
- ボール半分の行方と果てる夏
- 王様が来て適当なことを言う
- 渋い実の何でもなくて夕焼ける
- 鳥の鳴く声がかわいいレントゲン
- 殺すのはあまり得意でない笑顔
- 痩せるのは海馬だけでもなくて春
- 暗殺現場にいた鯉の胃の中
- なんてことないのよ傘は二本ある
- 真夜中を走るときどき対向車
- この味がいいねと笑う変異株

