「山崎夫美子」の作品一覧

62 件の作品が登録されています。

2023年5月
  • れんげ田に寝転ぶやがて柩めく
  • 春雷に追われ追慕を横抱きに
  • 千体仏のひたすら春を惜しむ雨
2023年4月
  • 白旗をもう干している春の変 
  • 両の手に喜々と火を浴び二月堂  
  • あのときの鑑真がいる波がしら 
2023年3月
  • 山焼きの祈りの渦を抜けて闇
  • 風下の椿は知らず喪が明ける
  • しんがりは雪にまみれた埴輪馬
2023年2月
  • 着払いですか帽子の中の鳩
  • 一月の凧が見たくて野末まで
  • 吹雪く夜の風土記は軽い咳をする
2023年1月
  • 一月の囀り神話の国に住む
  • 踏み外すまで磨く月の階段
  • 混沌のほとりで水母飼っている
2022年12月
  • 土塀に続く秋をくぐれば庵主住む
  • 落ち葉踏む音が耳塚眠らせぬ
  • ススキヶ原に鬼放たれて月を待つ
2022年11月
  • リセットの秋メレンゲはまだ途中
  • 柘榴の実にっと笑って風を撒く
  • 袋小路で盗人萩を振りかざす
2022年10月
  • 摘蕾の指の躊躇を知っている
  • 風鈴をしまう儀式として月夜
  • 遠景に入るなわとび跳ぶように
2022年9月
  • 炎天へ渡したくなる果たし状
  • 石臼の役目を終えて草いきれ
  • 夏空に預けたままの避雷針
2022年8月
  • 潮騒が覚悟のほどを聞きにくる
  • 刻まれたあの日を映す遠花火
  • 仏足石に触れる炎暑の罪深く
2022年7月
  • 宅配の果実の匂い走り梅雨
  • 友情をミステリアスにたたむ夜
  • 星の降る広場で万国旗の不穏
2022年6月
  • 肩ごしのみどり和解を予感する
  • 新緑を泳ぐふりして少女ゆく
  • 木洩れ日の揺らぎもう旅立ちの時
2022年5月
  • 黄砂来る胸の悲色を消せぬまま
  • 春風に思考停止を覗かれる
  • わかり合うことなく列車すれ違う
2022年4月
  • 茫洋の宮址に座る点として 
  • 一献は春のあなたに差し上げる
  • 禅僧の視野にさざめく赤椿
2022年3月
  • 半身は水母に触れたような春
  • 文字化けを許す二月の相聞歌
  • リセットのボタンは銀にくるまれる
2022年2月
  • 野に雪の雑兵いつか攻めてくる
  • 一刀彫の鹿一族のあさき夢
  • 4Bで描く神将はサイボーグ
2022年1月
  • 裸木の瘤のあたりのイ短調
  • 野仏にまだ届かない冬帽子
  • 風鐸のきしみ確かに病んでいる
2021年12月
  • 神宿る森かも風が追ってくる
  • 木簡をなぞる答えのない時空
  • ふたたびの秘仏へ深い呼吸音
2021年11月
  • コスモスのざわめき塔は不眠症
  • 踏まれ邪鬼あの日の蝶を恋しがる
  • 落丁のページのように摩崖仏
2021年10月
  • 冷血のふりして眉月のそっぽ
  • 月光に浮き立つ玻璃のだまし舟
  • 涙目のスワンボートと夜を抜ける
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